幼稚園教諭と保育士はどちらが難しい?資格や仕事内容、給料の違いを解説
「保育や幼児教育の仕事に興味があるけれど、幼稚園教諭と保育士、どちらを目指すべきか迷っている」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
幼稚園教諭と保育士は、どちらも子どもの成長に関わるやりがいのある仕事ですが、必要な資格や仕事内容、働き方などに違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った道を見つけることができます。
本記事では、幼稚園教諭と保育士の資格取得方法や難易度、仕事内容の違い、給与、向いている人の特徴などを詳しく解説します。
この記事は以下の方におすすめです▼
- 幼稚園教諭か保育士として働きたいと考えている方
- 資格取得の難易度を知りたい方
- 仕事内容や働き方の違いを比較したい方
- 自分に向いているのはどちらか知りたい方
- ダブルライセンスを検討している方
この記事ではこんな情報が得られます▼
- 幼稚園教諭と保育士の制度上の違い
- それぞれの資格取得方法と試験の難易度
- 仕事内容の具体的な違いと一日の流れ
- 給与や待遇の比較
- それぞれに向いている人の特徴
幼稚園と保育園の制度上の違い
幼稚園教諭と保育士の違いを理解するためには、まず幼稚園と保育園の制度上の違いを知っておく必要があります。両者は似ているように見えますが、管轄省庁や目的、対象年齢などが異なります。以下の表で比較してみましょう。
| 項目 | 幼稚園 | 保育園 |
| 管轄省庁 | 文部科学省 | こども家庭庁 |
| 目的 | 教育を行う場 | 保育を必要とする子どもの保育 |
| 対象年齢 | 満3歳〜就学前 | 0歳〜就学前 |
| 教育・保育時間 | 標準4時間 | 原則8時間 |
| 必要な資格 | 幼稚園教諭免許 | 保育士資格 |
簡単に言うと、幼稚園は「学びの場」として小学校入学に向けた教育活動を行う施設です。一方、保育園は「生活の場」として、保護者が仕事などで日中保育できない子どもを預かり、養護と教育を一体的に行う児童福祉施設です。
幼稚園は文部科学省が管轄する教育機関で、満3歳以上の子どもを対象に標準4時間の教育活動を行います。
これに対して保育園(保育所とも呼ばれます)は、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、こども家庭庁の管轄です。0歳から就学前までの幅広い年齢の子どもを対象に、保育標準時間(最大11時間)または保育短時間(8時間)の保育を提供します。
このように幼稚園と保育園は制度上の目的や役割が異なるため、そこで働く幼稚園教諭と保育士にも、それぞれ異なる資格や専門性が求められるのです。
参考:厚生労働省「児童福祉法」、こども家庭庁「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」」
幼稚園教諭と保育士の免許・資格取得方法
幼稚園教諭として働くには幼稚園教諭免許状が、保育士として働くには保育士資格が必要です。それぞれの取得方法を見ていきましょう。
幼稚園教諭免許状
幼稚園教諭免許状には、一種免許状、二種免許状、専修免許状の3種類があります。
一種免許状は四年制大学で取得でき、二種免許状は短期大学で取得できます。専修免許状は大学院修士課程で取得可能です。これらの免許状による仕事内容の違いはありませんが、一種免許状や専修免許状の方が、昇進や給与面で有利になる場合があります。
免許状を取得するには、文部科学大臣が認定する大学、短期大学、大学院などの教職課程を修了し、必要な単位を修得する必要があります。教職課程では、教育に関する専門的な知識や保育実習などを通じて、実践的なスキルを学びます。
また、保育士資格と一定の実務経験がある人は、「幼稚園教員資格認定試験」に合格することで二種免許状を取得することも可能です。この試験を利用すれば、働きながら幼稚園教諭免許状を取得できます。
幼稚園教員資格認定試験を受験するには、保育士資格を取得した後、幼稚園・認定こども園・保育所などの指定施設で3年以上かつ4,320時間以上の実務経験が必要です。試験内容は教職に関するマークシートおよび論述の筆記試験で構成されており、合格後に幼稚園教諭二種免許状を取得できます。
参考:独立行政法人教職員支援機構「令和7年度 幼稚園教員資格認定試験 受験案内」
保育士資格
保育士資格は1種類のみで、取得方法は主に2つあります。
1つ目は、こども家庭庁長官が指定する保育士養成施設(専門学校、短期大学、四年制大学など)を卒業する方法です。養成施設を卒業すると、試験を受けずに保育士資格を取得できます。
2つ目は、保育士試験に合格する方法です。保育士試験は年2回(前期・後期)実施されており、筆記試験と実技試験で構成されています。実技試験では、音楽・造形・言語に関する3分野のうち2分野を選択して受験することになります。
受験資格は最終学歴によって異なりますが、大学、短大、専門学校のほか、一定条件を満たす専門学校卒業者なども受験できます。高校卒業の場合でも、卒業年度や実務経験などの条件を満たせば受験可能です。
保育士試験は独学でも合格を目指せますが、試験範囲が広く専門的な知識が必要となるため、計画的な学習が求められます。
着実に資格を取得したい場合は養成施設を卒業する方法が、費用を抑えて自分のペースで学びたい場合は試験に挑戦する方法が良いでしょう。
参考:厚生労働省「保育士になるには」
資格試験の難易度と合格率
資格取得を目指すなら、試験の難易度や合格率を知っておくことは大切です。幼稚園教諭免許状と保育士資格では、試験の内容や合格率にどのような違いがあるのでしょうか。実際のデータをもとに見ていきましょう。

幼稚園教諭免許状
養成施設(短期大学、四年制大学、大学院)で幼稚園教諭免許状を取得する場合は、きちんと学校に通って必要な単位を取得し、教職課程を修了すれば免許状を取得できます。卒業のための単位取得と教職課程の履修が求められますが、試験に合格する必要はありません。
つまり、真面目に通学して単位を修得していけば、ほぼ確実に免許状を手にできるルートと言えます。
一方、保育士経験者が「幼稚園教員資格認定試験」で二種免許状を取得する場合は、試験に合格する必要があります。このルートは、働きながら免許状を取得したい保育士の方にとって、貴重な選択肢です。
試験内容は令和7年現在、筆記試験3科目で構成され、各科目6割以上の得点が合格ラインとなっています。
合格率は年度によって大きく差があり、令和7年度は57.1%でした。
この合格率を見ると、決して簡単な試験ではありませんが、半数以上の方が合格しているという結果でもあります。保育士としての実務経験があれば、その経験を活かしながら対策を進めることができるため、計画的に学習すれば十分に合格を目指せます。
参考:独立行政法人教職員支援機構「令和7年度 幼稚園教員資格認定試験 受験案内」「教員資格認定試験過去の実施結果(令和7年度)」
保育士資格
保育士試験は、前述のとおり筆記試験と実技試験があります。筆記試験では各科目6割以上の得点が合格ラインとなっており、すべての科目に合格する必要があります。
こども家庭庁が公表している「保育士試験の実施状況(令和6年度)」によると、合格率は各都道府県で20〜30%程度のところが多く、決して高くはありません。幅広い分野の専門知識が求められることや、9科目すべてに合格しなければならないことが、難易度を高めている要因です。
ただし、保育士試験には科目合格制度があり、一度合格した科目は3年間有効です。そのため、複数年かけて計画的に合格を目指すことも可能です。
参考:こども家庭庁「令和6年保育士試験の実施状況(令和6年度)」、一般社団法人全国保育士養成協議会「免除制度について」
幼稚園教諭と保育士の仕事内容の違い
制度上の違いは理解できても、実際の仕事の中身がイメージしづらいという方もいるかと思います。幼稚園教諭と保育士では、一日のスケジュールや業務内容にも大きな違いがあります。それぞれの特徴を具体的に見ていくことで、自分に合った働き方が見えてくるかもしれません。

幼稚園教諭
幼稚園教諭の一日は、子どもたちの登園から始まります。朝の会では、出席確認や挨拶、歌などを行います。その後、制作活動、運動遊び、音楽活動などの設定保育を行います。
給食またはお弁当の時間を経て、午後は自由遊びや帰りの会を行い、子どもたちを送り出します。子どもが帰った後は、教室の掃除や翌日の教育計画の作成、教材研究などを行います。
幼稚園では、小学校入学に向けた教育活動が中心となります。文字や数、音楽などの基礎的な学びを遊びを通じて提供し、集団生活を通して社会性や協調性を育みます。
標準教育時間は4時間と短いですが、行事の準備や保育の質を高めるための研究など、子どもが帰った後の業務も重要です。担任としてクラス運営の中心を担うことが多いため、自分の考えを活かした運営ができる一方、責任も大きくなります。
保育士
保育士の一日は、早番の場合、朝7時頃から始まることもあります。子どもたちの登園を受け入れ、
朝おやつ(0〜2歳児)、自由遊び、朝の会を行います。
その後、お散歩や設定保育、給食、食事介助を経て、お昼寝の時間となります。0〜2歳の低年齢児の場合、お昼寝中も呼吸確認などの安全管理が欠かせません。
午後はおやつ、自由遊び、帰りの会を行い、子どもたちを順次お迎えまで見守ります。遅番の場合は、夕方から夜にかけての保育を担当します。子どもが帰った後は、保育室の掃除、連絡帳の記入、翌日の準備などを行います。
ぽとふ保育園では、0〜2歳の低年齢児に特化した小規模保育を行っており、一人ひとりの発達段階に合わせたきめ細やかな保育を提供しています。
少人数だからこそ、子どもの小さな成長や変化に気づきやすく、保護者の方とも密にコミュニケーションを取りながら、安心して預けていただける環境を大切にしています。
保育士の仕事は、子どもの生活全般をサポートするため、食事介助、トイレの補助、着替え、午睡など、日常生活に関わる業務が多くなります。特に低年齢児の保育では、安全管理が大変重要です。
幼稚園教諭と保育士の給料の違い
給料面では、幼稚園教諭と保育士の間に大きな差はありません。ただし、施設による差は大きく、公立・私立なら公立の方が高い傾向にあります。
公立の幼稚園や保育園では、地方公務員として採用されるため、給与体系が安定しており、昇給や賞与も定期的に支給されます。一方、私立の施設では、運営法人によって給与水準が異なります。
近年では、保育士・幼稚園教諭の処遇改善のため、国や自治体が補助金を出すなど、待遇改善の動きが進んでいます。そのため、以前と比べると給与水準は上がってきています。
給料を重視する場合は、公立か私立か、運営法人の規模や方針、地域などを総合的に考慮して就職先を選ぶことが大切です。
参考:こども家庭庁「保育士・幼稚園教諭等の処遇改善」
幼稚園教諭と保育士のいいところ・大変なところ
幼稚園教諭と保育士、それぞれの仕事には魅力もあれば、大変な面もあります。子どもと触れ合う楽しさや、成長を見守るやりがいは共通していますが、それぞれならではの特徴もあります。
幼稚園教諭
いいところ
幼稚園教諭の魅力は、勤務時間が比較的安定していることです。標準の教育時間も4時間と短いため、子どもが帰った後の時間を準備や研究に充てることができます。
また、幼稚園には夏休みや冬休みなどの長期休みがあります。この期間は預かり保育や研修、準備の時間として使われることもありますが、保育園よりは休みを取りやすい傾向があります。
運動会や発表会などの行事が多く、子どもたちと一緒に目標に向かって頑張り、成功した時には大きな達成感を味わえます。
大変なところ
幼稚園では、1学級を最大30人程度、一人の教諭が担任することが一般的です。複数担任の場合もありますが、基本的には一人で全責任を負うため、プレッシャーも大きくなります。
また、送迎時など保護者との関わりは保育園より少なめですが、教育方針や子どもの様子について丁寧に説明する必要があります。
行事が多い分、準備の負担も大きくなります。制作物の準備、練習計画の作成、保護者への連絡など、時間外の業務が増えることもあります。
保育士
いいところ
保育士の最大の魅力は、0歳から就学前まで、子どもの成長を長期間にわたって見守れることです。赤ちゃんの頃から知っている子どもが、徐々にできることが増えていく姿を間近で見られる喜びは、保育士ならではのものです。
子どもの年齢にもよりますが、複数人で担任することもあるため、得意・不得意な作業を分担でき、相談しながら保育を進められます。
また、保護者との信頼関係を築きやすく、子育ての悩みに寄り添い、保護者の方もサポートできることにやりがいを感じる保育士も多くいます。
保育園は大規模園から小規模園、企業型保育園など、さまざまな形態があり、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいのも魅力です。求人もパートを含めて豊富にあるため、復職もしやすい職種です。
大変なところ
低年齢児の保育では、誤嚥や転落の防止、午睡中の呼吸確認など、安全面で細やかな配慮が求められます。常に気を配る必要があるため、緊張感を伴う場面もあるかもしれません。
また、勤務時間は早番・遅番のシフト制が基本となるため、生活リズムが不規則になることがあります。保育園は年間を通して開園しているため、長期休暇が取りにくい面もあります。
抱っこやおむつ替え、食事介助など、体力を使う業務が多いことも特徴です。
ただし、こうした負担に対しては、複数の保育士がチームで協力し合ったり、見守りのIT機器を導入したりするなど、職場環境の改善が進んでいます。特に小規模保育園では、職員同士の連携が密で、一人ひとりの負担を分散しやすい環境が整っています。
幼稚園教諭と保育士、それぞれに向いている人の特徴

ここまで違いを見てきて、「自分にはどちらが向いているのだろう」と考えている方も多いのではないでしょうか。性格や価値観、働き方の希望によって、向き・不向きは変わってきます。それぞれに向いている人の特徴をまとめましたので、自分と照らし合わせながら考えてみてください。
幼稚園教諭に向いている人
幼稚園教諭に向いているのは、教育者として子どもと関わりたいと考えている人です。自分の考えや工夫を活かしたクラス運営をしたい方、ピアノや製作活動が得意な方には、その強みを活かせる環境です。
また、3歳以上の会話ができる年齢の子どもと深く関わりたい方、計画的に物事を進めるのが得意な方にも適しています。
保育士に向いている人
保育士に向いているのは、一人ひとりの子どもとじっくり関わりたいと考えている人です。赤ちゃんのお世話をしたい方、0歳から小学校入学前までの幅広い年齢の子どもの成長を見守りたい方には、やりがいを感じられる仕事です。
シフト勤務やパート勤務など、柔軟な働き方を希望する方、体力に自信がある方、保護者との密な関わりを大切にしたい方にも向いています。
ぽとふ保育園でも保育士を募集しています!
ぽとふ保育園は、神奈川県を中心に10以上の認可小規模保育園を運営しています。0〜2歳の低年齢児に特化した保育を行っており、専門的な知識とスキルを活かせる環境です。
小規模だからこそ、一人ひとりの子どもに合わせたきめ細やかな保育を提供でき、子どもの成長を間近で感じられます。また、保護者の方との信頼関係も築きやすく、チームで協力しながら働ける職場です。
ぽとふ保育園での働き方に興味がある方は、ぜひ運営元である株式会社ソーシエの採用サイトをご覧ください。
ぽとふ保育園 採用情報サイト:https://recruit.potoph.jp/
ぽとふ保育園 公式サイト:https://sourcier.co.jp/potoph/
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