保育士のサービス残業は当たり前?発生しやすい理由や対処法を解説
タイムカードを押したあとに保育室へ戻り、連絡帳の続きを書く。そんな毎日に、少しずつ慣れてしまっていませんか。保育士のサービス残業は当たり前だと言われることもありますが、働いた時間にはきちんと賃金が支払われるべきです。この記事では、サービス残業の実態や発生しやすい理由、負担を減らす方法、改善しない場合の対処法、残業が少ない保育園の特徴を解説します。今の働き方を見直すヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事は以下の方におすすめです▼
- 保育士のサービス残業は当たり前なのか、我慢すべきなのか知りたい方
- 退勤後や休憩時間にも仕事をしていて、しんどさを感じている方
- 持ち帰り仕事が続き、家でも気が休まらない方
- 自分でできるサービス残業の減らし方を知りたい方
- 残業の少ない保育園への転職を考えている方
この記事ではこんな情報が得られます▼
- 保育士のサービス残業の実態と、発生しやすいタイミング
- サービス残業が発生しやすい4つの理由
- 今日から試せるサービス残業を減らす方法
- それでも減らないときの相談先と、転職という選択肢
- 残業が少ない保育園に見られる特徴
保育士はサービス残業が当たり前?
保育士のサービス残業は、決して当たり前ではありません。働いた時間に応じた賃金の支払いが必要であり、法定労働時間を超える残業には、原則として労働基準法に基づく割増賃金が発生します。「みんなやっているから」と、無給で働き続ける必要はないのです。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の残業時間は、2025年6月分で月3時間ほどでした。ただし、この数値だけで、記録されていないサービス残業や持ち帰り仕事の実態まで把握できるわけではありません。「実際はもっと多い」と感じた方もいるのではないでしょうか。
株式会社マイナビの「保育士白書2025年度版」によると、保育士340人を対象とした調査で、1か月の残業時間が「なし」と答えた人は17.9%でした。一方、月30時間以上の人も合計13.0%います。この調査には、申告していないサービス残業や持ち帰り仕事も含まれています。残業がほとんどない先生もいれば、長時間の残業を抱えている先生もいることがわかります。
サービス残業が発生するタイミング
保育士の仕事は、子どもたちが帰ったら終わり、というわけではありません。降園後に日誌や翌日の準備を進めたり、始業前に保育室を整えたり。勤務時間内に終わらなかった製作や書類作成を、自宅に持ち帰る先生もいます。園から指示されて自宅で行う仕事も、使用者の指揮命令下で行う作業として、労働時間にあたると考えられます。見落とされやすいのが休憩時間です。子どもと同じ部屋で連絡帳を書きながら「休憩中」と扱われ、泣き声が聞こえればすぐに手を止めて駆け寄る。これでは、ゆっくり休むこともできません。休憩は本来、仕事から離れて自由に過ごせる時間です。連絡帳を書いたり、子どもの対応を任されたりしている時間は、休憩ではなく働いている時間として扱われます。
保育士のサービス残業が発生しやすい理由

保育士のサービス残業は、個人の段取りの問題だけで起きるわけではありません。保育という仕事の特性と職場の空気が重なって生まれる主な理由は、次の4つです。
- 人手が不足している
- 事務作業が多い
- 行事の準備がある
- 先に帰りづらい雰囲気がある
人手が不足している
保育中は子どもたちから目を離せません。朝に急なお休みの連絡が入れば、残った先生たちで配置や休憩の順番を調整することに。自分のクラスを見ながら隣のクラスも手伝う日は、書類作成や翌日の準備が後回しになってしまいます。
また、目の前に子どもがいると「休憩時間なので」「もう退勤時刻なので」と、その場を離れるわけにはいきません。代わりに見守る先生がいなければ、休憩を取れなかったり、お迎えを待つ間に退勤が遅れたりすることも。
事務作業が多い
連絡帳、日誌、指導計画、児童票、おたよりなど、保育士が書く書類はたくさんあります。子どもの成長を記録したり、保護者に日々の様子を伝えたりする大切な仕事ですが、一つひとつ書いていると、どうしても時間がかかります。ところが保育中は、ペンを持った途端に「せんせい、見て!」と声がかかるのが日常です。子どもたちと向き合っていると、机に向かう時間はなかなか取れず、書類作成は降園後に回りがちです。手書きの連絡帳なら、書き間違いを直す手間もかかります。
行事の準備がある
運動会や発表会、七夕やクリスマス会などの季節行事が近づくと、仕事量はぐっと増えます。保育室の壁面装飾、衣装や小道具づくり、子どもと一緒に取り組む製作物、プログラムの企画、ダンスや劇の練習。どれも普段の保育に上乗せされる仕事です。勤務時間内に終わらなかった衣装の縫い付けを、週末に家で仕上げる。せっかくのお休みまで仕事に使うことになれば、気持ちも休まりません。園から頼まれたり、仕事量が多くて持ち帰らざるを得なかったりする作業は、働いた時間として認められることがあります。
先に帰りづらい雰囲気がある
園長や先輩がまだ作業をしていると、自分の仕事が終わっていても「お先に失礼します」とは言い出しにくいものです。周りの先生たちが残っていると、「自分だけ帰っていいのかな」と気になり、つい一緒に残ってしまうこともあるでしょう。サービス残業が当たり前になっている職場では、おかしいと感じても、なかなか声を上げられません。たとえ「自主的に残っているだけ」と言われても、園長や上司から頼まれて仕事をしているなら、その時間は労働時間にあたります。自分の判断で残っているように見えても、実際には仕事を終えるまで帰れない状況だったかどうかも判断のポイントになります。残業代が支払われていないなら、まずは実際に働いた時間を振り返ってみましょう。
サービス残業を減らす方法
職場の仕組みはすぐには変わらなくても、自分の仕事の進め方は今日から見直せます。取り入れやすい方法は、次の3つです。
- 業務を書き出して優先順位をつける
- 事務作業は定型文やテンプレートを使う
- 装飾や小物はあるものを再利用する
業務を書き出して優先順位をつける
まずは、出勤してから退勤するまでの仕事に加え、家に持ち帰っている仕事も書き出してみましょう。「連絡帳40分」「日誌20分」「壁面装飾30分」のように、かかる時間も書き込んでいきます。
次に、「今日中」「今週中」「今月中」と期限ごとに分け、優先順位をつけましょう。頭の中で抱えていた仕事が目に見える形になると、焦る気持ちも少し整理しやすくなります。後回しにできる仕事や、ほかの先生に手伝ってもらえる仕事も見つかるはずです。
このリストは、園長や同僚に相談するときにも役立ちます。「毎日これだけ時間がかかっています」と伝えれば、仕事の分担や進め方を一緒に考えるきっかけになるでしょう。
事務作業は定型文やテンプレートを使う
指導計画やおたよりを毎回ゼロから考えていると、どうしても時間がかかります。季節のあいさつなど、共通して使える部分をテンプレートにしておけば、書類作成の手間を減らせます。ただし、子どもの成長や日々の様子については、一人ひとりに合わせて書くことが大切です。
連絡帳も、書き出しの言い回しをいくつか用意しておくと、ペンが止まる時間を減らせます。
作ったテンプレートは、自分だけで使わずに園で共有するのがおすすめです。先生同士で工夫を持ち寄れば、園全体で書類作成を進めやすくなります。
装飾や小物はあるものを再利用する

壁面装飾や製作物、行事の衣装や小道具は、毎年すべてを新しく作る必要はありません。倉庫に残っている昨年の飾りや衣装を活用すれば、準備の時間を減らせます。そのまま使うのはもちろん、色画用紙を差し替えたり、子どもの手形を加えたりするのもおすすめです。少し手を加えるだけで、いつもの飾りも新鮮な雰囲気になります。
浮いた時間は、子どもたちと向き合うために使えます。再利用は「手抜き」ではなく、保育にもっと時間をかけるための工夫なのです。
それでもサービス残業が減らない場合の対処法
自分なりに工夫しても残業が減らないなら、ひとりの努力で解決できる範囲を超えているのかもしれません。職場に働きかける方法と、環境を変える方法として、次の2つを考えてみましょう。
- 園長や運営会社に相談する
- 残業が少ない保育園に転職する
園長や運営会社に相談する
サービス残業が続いているなら、まずは、いつ、どんな仕事に、どれくらい時間がかかっているのかを書き出してみましょう。「〇月〇日、18時から19時まで行事の飾りづくり」といったメモを残しておくと、状況を伝えやすくなります。タイムカードなど、実際に働いた時間がわかる記録も確認しておくと安心です。
園長に相談するときは、困っていることだけでなく、「どうすれば改善できそうか」も一緒に伝えてみましょう。例えば、「行事の準備で毎週5時間ほど残っています。飾りつけをみんなで分担できないでしょうか」と話せば、園長も具体的な対策を考えやすくなります。
園長に相談しても状況が変わらないときは、運営会社の人事担当者などに相談する方法もあります。誰に、いつ、どんな話をしたのかもメモしておけば、次の相談先にも経緯を伝えやすくなります。
残業が少ない保育園に転職する
園長や運営会社に相談しても、すぐに状況が変わるとは限りません。人を増やしたり、仕事の進め方を見直したりするには、時間がかかることもあります。
眠れない日が続く、日曜の夜になると気持ちが沈む。そんな毎日が続いているなら、まずは自分の心と体を大切にしてください。今の園で働き続けることだけが選択肢ではありません。残業の少ない保育園への転職も、考えてみましょう。
残業が少ない保育園の特徴
残業の少なさは、求人票の「残業少なめ」という言葉より、仕事を分け合える体制に表れます。転職先を選ぶときに確かめたいのは、次の3つの特徴です。
- 職員数に余裕がある
- 行事が少ない・簡略化されている
- 業務のICT化が進んでいる
職員数に余裕がある
保育士の人数に少し余裕がある園なら、急なお休みが出たときも、先生同士で助け合いやすくなります。担任を持たないフリーの先生がいれば、交代で休憩を取ったり、書類を書く時間をつくったりするのもスムーズです。
小規模保育事業A型では、子どもの年齢や人数に応じて必要な保育士の数を計算し、原則としてもう1人加える決まりがあります。
園を見学するときは、「フリーの先生は何人いますか?」「急なお休みが出たときはどうしていますか?」と聞いてみましょう。普段の働き方や、先生同士の協力体制が見えてきます。
行事が少ない・簡略化されている
運動会や発表会は、子どもたちの成長を感じられる大切な行事です。ただ、行事が増えると衣装づくりや飾りつけ、練習などの準備も増え、普段の保育との両立が大変になります。
行事の数を見直したり、飾りや衣装を再利用したりして、先生たちの負担を減らしている園もあります。
園を見学するときは、年間行事の予定だけでなく、「飾りや衣装はいつ作っていますか?」「行事の準備で残業や持ち帰り仕事はありますか?」と聞いてみましょう。行事の数だけでなく、無理なく準備できる工夫があるかどうかも大切なポイントです。
業務のICT化が進んでいる
手書きの連絡帳は、うっかり書き間違えると、直すだけでも時間がかかります。連絡帳アプリを使っている園なら、そんな手間も減らせます。指導計画や日誌をスマホやタブレットで作れる園なら、パソコンの空きを待つ必要もありません。
会議や研修をオンラインで行えば、会場まで移動する時間も省けます。こうした工夫が積み重なると、子どもたちと向き合う時間もつくりやすくなります。
ただし、システムがあるだけで残業が減るわけではありません。求人票で「ICT」「連絡帳アプリ」といった言葉をチェックするだけでなく、園見学では「書類を書く時間は勤務中に取れますか?」と聞いてみましょう。
小規模保育園「ぽとふ保育園」で一緒に働きませんか

保育士のサービス残業は、当たり前ではありません。人手不足や書類作成、行事の準備など、毎日たくさんの仕事を抱えていると、自分ひとりの工夫だけでは解決できないこともあります。
「もう少しゆとりを持って子どもたちと向き合いたい」と感じているなら、小規模保育園への転職も考えてみませんか。0~2歳児を中心に、定員6~19名の少人数で保育を行う小規模保育園には、先生同士で協力しながら、子ども一人ひとりとじっくり向き合える魅力があります。
ぽとふ保育園は、神奈川県内で10園以上の認可小規模保育園を運営しています。国の基準より最大2名多く保育士を配置し、大きな行事は年3回ほどに抑えるなど、先生たちが無理なく働ける環境づくりに取り組んでいます。書類作成にはICTを活用し、事務作業や行事の準備も勤務時間内に行います。持ち帰り仕事はなく、残業はあっても月平均30分程度。子どもたちと向き合う時間を大切にしたい方は、ぜひ一度ぽとふ保育園の求人情報をのぞいてみてください。「まずは園の雰囲気を見てみたい」という方の見学や、ご相談だけのお問い合わせも歓迎しています。
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