保育士がメンタルをやられる理由と対処法~おすすめの働き方も紹介~
「朝、園に向かう足が重い」「家に帰っても明日の書類が頭から離れない」。保育士としてメンタルがやられる感覚に、心当たりのある先生もいるのではないでしょうか。命を預かる責任、職員同士の気遣い、終わらない事務。ひとつずつは小さくても、積み重なれば心はすり減ります。それは、頑張りが足りないからではありません。この記事では、保育士に負荷がかかる原因と対処法、負担を抑えて働ける選択肢を整理しました。今のモヤモヤを整理するヒントに、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事は以下の方におすすめです▼
- 保育の仕事にやりがいはあるのに、心が限界に近いと感じている方
- 職場の人間関係や業務量に、慢性的なストレスを抱えている現役保育士の方
- 自分の不調がどの程度なのか、客観的に確かめる方法を知りたい方
- 「辞めたい」と思う自分を責めてしまい、誰にも相談できずにいる方
- これから保育士を目指すうえで、働き方の現実を知っておきたい方
この記事ではこんな情報が得られます▼
- 保育士のメンタルに負荷がかかりやすい3つの原因
- 心の不調が表れはじめたときに出やすいサイン
- 厚生労働省「こころの耳」で5分でできるストレスセルフチェックの使い方
- つらいときに自分でできる3つの対処法
- 小規模保育園やパートなど、負担を抑えて働ける4つの選択肢
保育士のメンタルがやられる原因

保育士のメンタルが不調を抱える背景には、本人の性格や弱さだけでは片づけられない、職場環境や働き方の問題があります。恵まれた環境で長く働き続けている先生もいますが、心をすり減らしやすいポイントには共通点があります。詳しくみていきましょう。
人間関係
現場で最も多く挙がるのが、人との距離の近さからくる疲れです。担任同士で保育観がぶつかる、先輩に確認を取るタイミングをうかがう、園長や主任の様子を見ながら言葉を選ぶ。上下関係のはっきりした職場も多く、思ったことを口にできないまま一日が終わることもあります。
保護者への対応も気が抜けず、ささいな行き違いがクレームに発展することもあります。この負荷は数字で測れないぶん理解されにくく、「気にしすぎでは」と自分を責める先生もいますが、毎日続ける気遣いは確実に体力を奪います。
業務量や責任
次に重くのしかかるのが、時間内に終わらない仕事量と、張りつめたままの緊張感です。保育士の勤務は、早番・遅番で生活リズムが乱れ、休憩は午睡中に書類を書きながら、という園も珍しくありません。持ち帰りの制作や指導計画の作成が生活に食い込めば、心を休める時間そのものが削られます。
加えて保育士は、子どもの命を預かる仕事です。誤嚥、午睡中の呼吸、園庭でのケガ。「何も起きなかった」ことが当たり前とされる緊張のなかで、一日を終えてどっと疲れが出るのは無理もないことです。
給料
負担の重さに報酬が見合わないという感覚も、じわじわと心を削ります。保育士の賃金水準は、専門職でありながら他業種と比べて低い傾向が長く指摘されてきました。処遇改善は進んでいるものの、昇給の幅やキャリアの道筋が示されていない園では、「この働き方があと何年続くのだろう」という不安がつきまとうでしょう。
サービス残業や持ち帰り仕事が常態化していれば、割に合わないという思いはさらに積み上がる一方です。やりがいだけでは埋められない部分があると認めることは、わがままでも不真面目でもありません。
メンタル不調のときに見られるサイン
心の不調は、自覚するより先にからだや行動へ表れます。「これくらいで弱音は吐けない」と考える先生ほど、その変化を見送りがちです。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」でも、心の病気は少しずつサインが出るとされています。
からだの面で出やすいのは睡眠の変化です。なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝起き上がれない。食事がおいしくない、頭痛や胃の不快感が続くこともあります。
気持ちの面では、理由もないのに不安になる、気分が晴れない、些細なことでイライラするなどが代表的です。以前は楽しめていた保育が「こなすだけの作業」に感じられるのも、変化の一つです。
行動の面では、遅刻や欠勤が増える、ミスや物忘れが目立つといった変化が出ます。周りの先生が先に気づく場合もあります。
こうした状態が続いたり、生活に支障が出ていたりするなら、我慢を重ねる前に早めに医療機関や相談窓口を頼ってください。それは大げさな行動ではありません。
出典:国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」
【5分でできる】職場のストレスセルフチェック

「疲れているだけなのか、それとも限界なのか」。自分のことほど、判断が難しいものです。そんなときは、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」が公開している「5分でできる職場のストレスセルフチェック」を使ってみてください。4つのSTEPに答える形式で、質問は全部で57問、所要時間はおよそ5分です。
STEP1 仕事について
STEP2 最近1か月の状態について
STEP3 周りの方々について
STEP4 満足度について
回答を終えると、ストレスの原因や心身の反応、周囲からのサポート状況がグラフで表示されます。数値になると、「気のせい」で片付けてきた疲れの正体が見えてきます。ただし医学的な診断ではないため、結果が軽くてもつらさが続くなら専門家に早めに相談してください。
出典:厚生労働省 こころの耳「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
保育士の仕事がつらいときの対処法
限界まで我慢してから動こうとすると、冷静な判断が難しくなります。まだ考える力が残っているうちに、できることから少しずつ試してみてください。
自分の気持ちを言語化して整理する
最初の一歩は、ぼんやりした「つらい」を具体的な言葉に置き換えることです。いつ、どこで、誰といるときにしんどくなるのか、ノートやスマホのメモに書き出してみましょう。
「いろいろ大変」のままでは打つ手が見えませんが、「月案を書く週だけ眠れない」「主任と組む日の朝が特に重い」と絞り込めれば、何に手を打てばよいかが見えてきます。書いたものは誰にも見せなくてかまいません。
信頼できる人に相談する
一人で抱えている時間が長くなるほど、考えは同じところをぐるぐると回り続けます。園内の話しやすい先輩、家族、保育とは関係のない友人など、安心できる相手に声に出して伝えてみてください。返ってきた言葉から「そういう見方もあるのか」と視野が広がることもあります。
職場では打ち明けにくい場合、前述の「こころの耳」に記載されている電話・メール・SNS相談など外部の無料窓口を使う手もあります。誰かに聞いてもらうことは、弱いからではなく「状況を共有するため」と考えましょう。
休職や転職を検討する
心やからだの不調がはっきりしているなら、休む選択を早めに検討してください。眠れない日が続く、涙が止まらない、朝起き上がれない。そこまで来ていれば、気力でどうにかする段階はすでに過ぎています。まずは医療機関を受診しましょう。
加入している健康保険によっては、傷病手当金など休職中の生活を支える制度を使える場合もあります。環境そのものが原因であれば、転職も現実的な手段です。休むことも職場を変えることも「逃げ」ではなく、保育の仕事を続けていくための立て直しです。
保育士が自分らしく働くための選択肢
今の園で耐え続けることだけが、保育士としての正解ではありません。同じ「子どもに関わる仕事」でも、働き方が変わればストレスのかかり方は大きく変わります。ここからは考えられる選択肢を4つご紹介します。
小規模保育園
小規模保育園は、0〜2歳児を対象に定員19人以下で運営される保育園です。受け持つ人数が限られるぶん、一人ひとりの発達をじっくり見ながら関われます。運動会や発表会のような大掛かりな行事を設けていない園も多く、準備に追われる時期の負担は軽めです。
職員数が少ないぶん、園全体で状況を共有しやすい環境です。送り迎えで保護者と毎日顔を合わせるため、気になったことをその場で伝え合いやすいという声もあります。一方で、距離の近さをどう感じるかは人によって差があるため、見学の際に職員同士のやりとりの様子を見ておくと安心です。
パート・派遣保育士
勤務時間や日数を自分の生活に合わせて決められるのが、パートや派遣という働き方の強みです。行事の準備や指導計画の作成など、担任に集中しがちな業務から外れるケースも多く、責任の範囲がはっきりしている点も心の負担を軽くしてくれます。
体調やブランクに不安があるときは、短い時間から現場に戻る方法も有効な選択肢となるでしょう。
ベビーシッター
ベビーシッターは、一度に見る子どもが1〜2人程度に限られるため、集団保育とはまったく違う落ち着き方で仕事に向き合えます。職場の上下関係や派閥といった悩みからも距離を置けるので、人間関係で消耗してきた人には合いやすい働き方です。
保育士資格や現場経験は依頼者から選ばれる際の強みになり、事業者や案件によっては報酬の設定に反映されることもあります。一方で、保護者と一対一で向き合うぶん、事前の条件のすり合わせは丁寧に行いたいところです。
子ども向けの接客業
保育の現場からは離れたいけれど、子どもとの関わりは手放したくない。そう感じている人には、キッズスペースの運営や子ども服の販売、フォトスタジオの撮影スタッフも候補になります。
子どもの発達に寄り添ってきたことや声かけという引き出しは、こうした職場でも武器になります。「命を預かる」重さから解放され、緊張の質が変わったと感じる人もいるようです。保育士に戻る道が閉ざされるわけでもありません。
小規模保育園「ぽとふ保育園」で一緒に働きませんか

保育士のメンタルがやられる背景には、人間関係、業務量と責任、給料といった、個人の頑張りでは変えにくい要因があります。だからこそ、サインに気づいた時点で立ち止まって休むことも、必要に応じて働く場所を見直すことも、どちらもおかしな選択ではありません。
「小規模は距離が近いぶん、こじれたら逃げ場がないのでは」と心配される方もいます。ぽとふ保育園では少人数だからこそ困りごとがその日のうちに共有され、抱え込む前に周りの手が届きます。国の配置基準5名のところに最大7名を配置し、休憩は事務作業なしの1時間、持ち帰り仕事もありません。年間休日は129日以上、有給消化率は90%を超えています。
心をすり減らさずに0〜2歳の子どもたちと向き合える場所を探している先生は、まず園の空気を見に来てください。
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