小規模保育園の年収はいくら?お給料を上げる方法もご紹介
「小規模保育園って、実際どれくらいもらえるの?」本記事では、そんな疑問に寄り添いながら、保育士のお給料の仕組みや今後の展望をわかりやすく解説します。
正確な情報だけでなく、「どうすれば自分の年収を伸ばせるのか」についてまで、一緒に見ていきましょう。
小規模保育園のお給料はどれくらい?

小規模保育では、資格構成と加算(処遇改善)の設計が給与の原資に直結します。とはいえ「結局どれくらいの差があるの?」と感じる方も多いでしょう。
国は、2013年以降、保育士の処遇改善や類似加算を行ってきました。具体的には、Ⅰ~Ⅲという3種類を設け、キャリアパス要件や賃金改善要件別に処遇改善等加算を実施するものでした。
2025年度からは、民間給与動向等を踏まえた処遇改善や、 経営情報の継続的な見える化の推進という2つのポイントを掲げ、処遇改善等加算の変更を実施しました。新制度では、区分を「基礎分」「賃金改善分」「質の向上分」の3区分に整理し、処遇改善等加算の一本化と活用促進、さらには経営情報の継続的な見える化を目指す、としています。
つまり、自分の位置を把握すれば年収を上げる道はあるということです。まずは園の種類と統計上の平均給与を押さえ、自分がどこで年収を引き上げられるかを逆算してみましょう。
参考:こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」
小規模保育園にはA型・B型・C型がある
小規模保育園は、A型・B型・C型の3タイプに分かれています。違いは「資格者の割合」や「運営の仕組み」にあり、それが給与の設計やキャリアの伸び方にも影響します。
| 区分 | 主な人員構成・資格要件 | 運営の特徴 | 給与・キャリア面の傾向 |
|---|---|---|---|
| A型 | 原則、全員が保育士(または看護師等の有資格者) | 保育所と同等の配置基準。人件費比率が高く、専門性が求められる | 資格者比率が高いため処遇改善加算を受けやすく、昇給制度が整いやすい |
| B型 | 職員の半数以上が保育士 | 柔軟な人員配置が可能で、運営の自由度が高い | 園による差が大きいが、働き方の柔軟さと昇給制度のバランス型 |
| C型 | 家庭的保育者(研修修了者等)を中心に運営 | 小規模・家庭的な環境で、きめ細かなケアを重視 | 給与水準はやや抑えめだが、子どもとの距離が近くやりがい重視型 |
一概には言えませんが、上記の表から、A型は「専門性と安定性」を重視したい方に、B型は「柔軟な働き方や多様なキャリア」を求める方に、C型は「家庭的な温かさの中で、子どもと丁寧に向き合いたい方」におすすめであるとも言えます。
ただし、どの型にもそれぞれの良さがあります。だからこそ、自分の生活リズムや大切にしたい保育のかたちに合った園を選ぶことが、長く、そして心地よく働き続けるいちばんの秘訣です。
小規模保育園の平均給与とは
保育士のお給料は、働く施設の規模や経験の長さ、そして役職によって少しずつ差があります。ここで、こども家庭庁が公表している「令和6年度経営実態調査の集計結果」から、平均的な勤続年数と平均給与を見てみましょう。
自分の状況と見比べながら、今後のキャリアを考える参考にしてみてください。
| 型 | 職種 | 平均勤続年数(常勤) | 平均月収(常勤・賞与込み) |
|---|---|---|---|
| A型 | 保育士 | 9.4年 | 約29.4万円 |
| 主任保育士 | 16.1年 | 約34.7万円 | |
| 管理者 | 18.9年 | 約41.8万円 | |
| B型 | 保育士 | 10.7年 | 約30万円 |
| 主任保育士 | 15.5年 | 約33万円 | |
| 管理者 | 17.7年 | 約40万円 | |
| C型 | 家庭的保育者 | 13.1年 | 約30.4万円 |
| 管理者 | 15.9年 | 約27.7万円 |
同じ保育士でも、役職や経験によって年収には大きな差が生まれます。ただ、それは努力がきちんと報われるチャンスがあるということ。小規模保育園でも、自治体の加算制度や園ごとの評価の仕組みをうまく活かすことで、収入を少しずつ伸ばしていくことができます。
出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>」
2025年には保育園の処遇改善等加算が一本化された

2025年度からは、前述のとおり保育士の処遇改善等加算が変更となっています。この改定により、園が保育士一人ひとりのキャリアや経験に応じて、より柔軟に給与を配分できるようになります。
たとえば、経験を積んだ職員や専門性を高めたリーダー職には、従来よりも手厚く還元できる仕組みが整う見込みです。また、複雑だった手続きや計算が簡素化されることで、園側の負担も軽減され、評価や給与がより分かりやすくなる点も大きなポイントです。
この一本化は、努力や成長がしっかりと反映される仕組みづくりへの一歩といえます。
保育士さんの給与は今後も上がる見通し
保育士の給与は、これから少しずつ上向いていく見通しです。現に、国は2024年度にも、公定価格の保育士等の人件費について、過去最大の10.7%の改善を補正予算に計上しました。
ただし、人材の確保は全国的な課題となっており、国や自治体、そして園が協力しながら、働く人を支える仕組みづくりを進める必要があります。厚生労働省の資料「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」によると、「専門リーダー」や「副主任保育士」など、役割と研修が連動した昇給の仕組みが主流になりつつあります。
努力や経験がきちんと評価される流れが広がっており、年齢や資格にかかわらず、日々の積み重ねが確実に報われる時代が少しずつ近づいています。
参考:こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」、厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」
小規模保育園の働き方の特徴4選
小規模園の魅力は、なんといっても距離の近さにあります。子ども一人ひとりに寄り添える環境が整っており、「働きやすさ」と「やりがい」を両立できる点が特徴です。ここからは小規模保育園の特徴を4つご紹介します。
0~2歳児の子どもが中心
小規模保育園では、主に0〜2歳の子どもを受け入れています。3歳未満児の保育を中心に、一人ひとりの生活リズムを整え、発達段階に合わせたサポートを行うのが特徴です。
言葉や表情、しぐさから気持ちをくみ取りながら、毎日の成長を間近で感じられるのは小規模保育園ならでは。子どもの「できた!」をいちばん近くで見守れる、温かい時間が流れています。
残業や持ち帰りの仕事が少ない傾向にある
小規模保育園では、行事の規模が大きすぎないため、準備や制作物の負担が少なめです。「行事のために夜遅くまで残る…」ということも減り、ゆとりを持って子どもと向き合える環境が整っています。
また、連絡帳や記録のICT化が進む園では、残業や持ち帰りの仕事が減る傾向にあり、家庭との両立もしやすくなっています。
一人ひとりの子どもとじっくり向き合って保育ができる
園児の人数が少ないからこそ、一人ひとりの成長や家庭での様子まで丁寧に見守ることができます。保護者との関わりも自然と深まり、日々の小さな変化を一緒に喜び合えるのが魅力です。
「昨日より少しできたね」と実感できる瞬間がやりがいにつながり、信頼関係を育てる温かい時間が生まれます。
外遊びが少ない傾向にある
小規模保育園は、ビルやマンションの一室など、コンパクトな施設で運営されることが多く、園庭がない場合も少なくありません。そのため、外遊びの機会は比較的少ない傾向にあります。
代わりに、近隣の公園を活用したり、屋内で体を動かす遊びを工夫したりして、子どもたちの運動機会をしっかり確保。安全管理や移動の段取りといったスキルも磨かれ、都市部ならではの保育力が身につきます。
小規模保育園で給与をアップさせる方法はある?

「小規模でもお給料を上げられるのかな…?」と感じる方も多いかもしれません。実は、きちんと仕組みを理解して取り組めば、キャリアとともに収入を伸ばすことは十分可能です。
ここからは、実際にどのような方法で年収アップを目指せるのかを、具体的に見ていきましょう。
キャリアアップする
分野別リーダー(保健衛生・安全対策・食育・障害児保育など)を目指す場合は、まずキャリアアップ研修を計画的に進めていくことが大切です。研修で学んだ内容を園内で実践し、安全対策の見直しや食育活動の企画など、日々の保育に活かしていきます。
その取り組みを丁寧に記録しておくことで、評価や処遇改善の加算対象となる実績になります。自分の工夫や努力が園の成長につながり、働きながら自然とキャリアアップを目指せる環境が整うでしょう。
仕事を頑張って役職に就く
副主任や主任、園長補佐といった役職に就くと、手当が加わり年収にも大きな違いが出てきます。そのためには、園の定員を安定して保つことや、離職率を下げる工夫、事故を未然に防ぐ取り組みなど、日々の保育に直結する課題に前向きに取り組むことが大切です。
こうした実践を定期的に振り返り、成果を数値で共有していくことで、評価につながりやすくなります。自分の行動が園の成長にも貢献できると感じられるのは、大きなやりがいにもつながります。
小規模保育園ぽとふでは一緒に働いてくれる方を募集しています
小規模保育園のぽとふ保育園では、経験年数に合わせた研修制度を通して、一人ひとりの成長を丁寧にサポートしています。系列園の保育士と意見を交わしたり、外部研修で新しい知識や考え方を学んだりと、学びの機会も豊富です。
ぽとふ保育園は、子どもに寄り添いながら自分も成長できる、そんな環境づくりを大切にしています。
詳しい募集要項や法人情報は以下からご覧ください。
- ぽとふ保育園採用情報サイト:https://recruit.potoph.jp/about-job/
- ぽとふ保育園公式サイト:https://potoph.jp/
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